【トピックス】
1月10日、漫画家・水島新司さんが82歳で亡くなりました。水島さんは『男どアホウ甲子園(原作は佐々木守)』『野球狂の詩』『ドカベン』『あぶさん』等の名作を世に生み出し、その作品は広く日本国民に親しまれました。
水島作品のほとんどは野球をテーマにしたものであり、水島さんの野球界への貢献は計り知ることができないほどのものです。多くの少年少女が野球に取り組むきっかけをつくり、多くのプレイヤーのモチベーションを高め、数多くのプロ野球選手を生み出しました。また『あぶさん』では、南海ホークス(のちのダイエー、ソフトバンク)のチーム内事情が詳細に描かれ、日本プロ野球史の貴重な資料ともなっています
生前、ご本人がノミネートを辞退したことによって野球殿堂入りは叶いませんでしたが、近いうちに野球殿堂特別表彰者として選出してもらいたいものです。謹んで感謝と哀悼の意を表します。
1月22日午前1時過ぎに九州地方で地震が発生しました。同時刻、出雲でもかなりの揺れを感じました。被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げます。
【公善社情報】
インスタグラムでご紹介した通り、斐川町の延福寺さんから大黒さんを授かりました。大黒さんは厄除開運をもたらして下さるそうです。何をお願いしましょうか? コロナ禍の一日も早い終息、大規模自然災害が発生しないこと、そして公善社スタッフが本年も事故なく健康で過ごすこと…。毎日拝もうと思います。
【友引考】
「友引」については何度かお話したように思いますが、再度とりあげたいと思います。考える葬儀屋さんがツイッターで漫画『喪服人妻が変な葬式に顔を出す話』(茸谷きの子作)を紹介しており、その作品を読んで思うところがあったからです(興味のある方はネットで検索してみてください)。
友引とは六曜の一つであり、六曜とは「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の六つが、日月火水木金土のように繰り返される暦です。順番は不変であり、友引は5日ごとに規則的にやってきます。それぞれの曜日に以下のようなキャラクターが割り当てられています。
先勝(せんしょう):急用の処理や訴訟には吉日とされているようです。
友引(ともびき):この日に葬儀を行うと、友が冥土に引き寄せられる(=死ぬ)との俗信があります。逆に、慶事については「幸せのお裾分け」という意味に解釈され、結婚披露宴の引出物をこの日に発送する人もいるようです。
先負(せんぶ/せんまけ):争いごとや公ごとが良くないと言われ、平静を守るべきとされています。
仏滅(ぶつめつ):全てが虚しいと解釈して「物滅」と呼ぶようになり、仏の功徳もないという意味に転じて「仏」の字が当てられたと言われています。婚礼などの祝いごとを避ける習慣があります。
大安(たいあん):何事においても吉、成功しないことはない日とされます。婚礼、上棟式、自動車の登録・納車、建物の工事着工・引渡をこの日にする人は多いのではないでしょうか。
赤口(しゃっこう):この日には赤を連想する火事や刃物に気を付けるべきと言われており、訴訟や契約を避けるべきとも言われています。
友引の日に葬儀を行うと、友が冥土に引き寄せられる(=死ぬ)という俗信。その起源は不明ですが、いまだに根強い力を持っています。当社でデータはとってはいないのですが、データをとる意味がないほどに友引の日の葬儀は少ないのです。友引に葬儀をせざるを得ない場合には友引人形を棺に入れ、故人が友を引いていかないようにする地域もあるそうです。ちなみに、通夜は友引の日でも行われます。
しかしながら、この多死社会において1年間の6分の1約60日間を葬儀に充てられないということは極めて不合理なことなのかもしれません。宗教者からは、友引の日に葬儀をすることについて肯定的な助言が発せられる場面が多々あります。また葬儀業界においては、葬祭会館の稼働率を上げられるので友引の日の葬儀は歓迎すべきことです。そして、友引の日に葬儀を執り行うという選択をした葬家に対して「周囲への配慮に欠ける」と非難する人はおそらく誰もいないでしょう。それにもかかわらず、しばらくの間この俗信は生き続けるのではないかと思います。
合理性が世界の隅々まで行き渡り、不透明な部分が少なくなったこの時代において、ある意味、友引にまつわる俗信は貴重なものなのかもしれません。死後の世界は誰も知り得ないのであり、そのミステリアスな部分が人々の心を揺り動かします。考える葬儀屋さんが紹介した漫画は、友引葬儀にまつわる奇妙な風習を描いたプチホラーです。最終的には故人が友達をあの世へと連れてゆくのですが、連れてゆかれる友達の納得感には何か心動かされるものがありした。もうしばらくは友引にまつわる俗信に翻弄されることになるかもしれませんが、そうした俗信を断固排除するという姿勢も尊重します。
この記事へのコメントはありません。