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さよならなき別れ

【トピックス】
 新型コロナウイルス感染者が急増しています。受験シーズンのスタート、受験生の皆さんには細心の注意を払い、蓄えた力を存分に発揮できるようにしていただきたいと思います。
 1月16日には大学入学共通テストの東京試験場付近で、17歳の少年の凶行によって三名の方が傷害を負うという事件が発生しました。被害者の方には心よりお見舞い申し上げます。三名の中には受験予定者も含まれ、今回の受験機会を失うことになりました。どのような補償がされるのかはわかりませんが、やるせない思いで胸が痛みます。

【さよならなき別れ】
 1月5日のNHKニュースウォッチ9で、コロナ禍における死別がとりあげられました。ノンフィクション作家・柳田邦男氏による取材報告です。
 例えば、東日本大震災において行方不明となった人々との突然の別れ、新型コロナウイルスに感染し死亡した人々との面会や対面なき別れ・・・番組では、このような死別のあり方を「さよならなき別れ」と表現されていました。秀逸なネーミングだと思います。このような別れを経験すると、時には人生を立て直すことができないほどの大きな精神的ダメージを抱えることになります。柳田氏はこのような症状を憂い、コロナ禍における死別の現状を探るため、神奈川県川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院に取材するようになります。
 医療現場においても「さよならなき別れ」の問題は自覚されていたようで、聖マリアンナ医科大学病院においては、タブレットやスマートフォンを介して患者・家族・医療者間のコミュニケーションを可能とする取り組みが実践されていました。それは、ある意味「死別の正常化」とも言える試みです。マンパワーが不足するなか、聖マリアンナ医科大学病院の工夫と努力には本当に頭が下がります。また、そこに着目した柳田氏の慧眼には敬服するばかりです。
 ひるがえって、葬送の現場はどうなっているのでしょうか? 死別の正常化を推進すべきは、なにも医療現場だけではないはずです。介護の現場も、葬送の現場もそうではないかと思います。柳田氏の取材報告に接し、コロナ禍で葬儀の簡略化が進む中、葬送の各局面において何をなすべきなのかを改めて問い直してゆきたいと思いました。

【2022読書日記②】
 今回も漫画です。『火葬場で働く僕の日常』(原案・下駄華緒/画・蓮古田二郎/竹書房)を読みました。当作品は火葬場職員の日常をコミカルに表現したものですが、火葬場の細部、特に火葬炉の中で起きている現実を知る上で非常に貴重なものでした。もちろん全国どこの火葬場でも同じであるとは限らないでしょうが、生身のご遺体がどのようにしてお骨になってゆくのかが丁寧に描かれています。
 私たち葬儀業者にとっても、火葬場はある意味でミステリアスな場所です。ご遺体を火葬炉に入れてからの過程は私たちも知りません。本書でその一端を垣間見ることによって、出雲斎場、湖西斎場で働いていらっしゃるスタッフの皆さんのご苦労をうかがい知ることができました。ご遺体に最大限の敬意を払いつつ、ご遺族には様々な気遣いをしながら、皆さん一生懸命お仕事に取り組んでいらっしゃるのです。
 なお、グロテスクな描写が少なからずありますので、お読みの際はご注意ください。

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