公善社のブログ

頼れる親族がいない!死後の後始末②

【トピックス】
 6月10日、仕事で島根県美郷町を訪れる機会がありました。偶然にも、その翌日11日夜10時、NHKスペシャル「獣害を転じて福となす~雅(まさ)ねえと中国山地の物語」が放送され、美郷町の地域振興策が取り上げられました。
 美郷町は島根県中央部に位置する人口約4000の町であり、中山間地域の例にもれず、高齢化と人口減が喫緊の課題として重くのしかかっています。NHKスペシャルでは、美郷バレー構想と呼ばれる地域振興策によって、コミュニティの活性化、企業誘致、雇用創出、若者定着といった効果が生まれていることが紹介されました。もちろん劇的な効果があるわけではありませんが、中山間地域の将来に微かな希望を垣間見ることができたように思います。
 行政においても創造性が必要とされる時代なのかもしれません。美郷町長の嘉戸隆氏は高校時代の三年間を出雲市で過ごされました。更なるご活躍を期待します。6月17日記

【公善社情報】
 6月16日の山陰中央新報でお知らせしたとおり、セレモール出雲にて、6月26日(日)10時~13時半、人形盆提灯供養祭と写真撮影会を執り行います。併せて、式場見学と事前相談も承ります。人形盆提灯供養につきましては、セレモール出雲にて事前の受付もいたしますが、葬儀中につき対応できない場合がありますので、必ず前もってお電話いただきますようお願いします。

【頼れる親族がいない!死後の後始末②】
 5月22日に同名の①を投稿してからだいぶ間が空きましたが、ようやく②を投稿することができました。テーマは「家族はなく、親族とも疎遠となっている状況で、高齢期をどのように過ごし、死後の後始末をどのようにするか」ということでした。
 前回は、誰にも頼れない場合には、高齢期においても死後においても、最低限のことは行政等の第三者によって施されるであろうことを詳述しました。そして、「じゃあ、それでよいのか?」という問題提起で話を中断しています。今回はその続きとなります。

 人間的なつながりを感じながら高齢期を過ごし、死を迎えたいという思いは誰にでもあると思います。高齢期において人間的なケアを受けること、死後には懇ろに葬られることを願わない人はいないのではないでしょうか。それが可能であるかどうかを相談者である女性は不安に思っているわけです。それでは、どうすればその不安は解消されるのでしょうか?
 単刀直入に言うなら、高齢期と死後への不安を解消するために何より必要なものは、本来であれば頼ることができたかもしれない親族(相談者にとっては疎遠となっている姉や甥姪)との関係を修復することだと思います。たしかに、家族や親族以外に、その代替的な存在を持つ人はいるかもしれませんが、諸制度との絡みから言えば、頼りになるのはやはり家族や親族なのです。
 例えば、病院に入院する場合、手術する場合、施設に入所する場合、第三者の保証や同意が必要となってきます。葬儀においても、死亡届と火葬許可申請は親族等限られた人にしかできません。また、親族にある程度の金額を託しておけば、希望通りの葬儀を執り行ってもらえるかもしれません。相続においても、法定相続人に相続財産の概要を伝えておけばスムーズにことが運ぶはずですし、遺産を有効に活用してもらえる可能性もあるのです。
 金銭面、精神面で負担をかけないようにすれば、親族として、上のような事務手続の負担を拒む人はいないのではないでしょうか。ただしケアされる側に、そのレベルの関係性を維持する努力、またそのレベルまでに関係性を修復する努力が必要になってくるかと思います。生活保護の問題にも言えることですが、そうした努力をしないで、行政等に負担を丸投げし、公費を使うという姿勢には大いに疑問を感じます。様々な事情があるにせよ、単なる「わがまま」に過ぎないケースも多々あるのではないでしょうか。
 家族不在の中、高齢期や死後への不安を抱いている方は、まず親族との関係を見直し、もし関係が芳しくないようであれば、修復する努力をしてみるべきだと思います。人間、生まれてから死ぬまで誰かのお世話にならざるを得ないのであり、その関わり合いの中からしか幸福は生まれてこないのだと思います。

 件の女性から相談を受けた知人には、「相談者さんは勇気を出して、疎遠となっている親族さんと今後のことについて話し合ってみるべきではないか」と伝えておきました。

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