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『終のひと』第2巻を読んで

【トピックス】
 今夏の甲子園大会決勝は、智弁学園高校(奈良県代表)と智弁和歌山高校(和歌山県代表)の対戦となり、元メジャーリーガー・イチロー氏の指導の甲斐あってか、智弁和歌山高校が兄弟校対決を制しました。両校は同じ宗教法人を母体とし、同じデザインのユニフォームを着用しています。母体となる辨天宗は、1952年に設立された仏教系教団であり、関西地方を中心に10万人ほどの信者さんがいらっしゃるようです。
 智弁学園、智弁和歌山の他、新興宗教と言われる宗教団体が母体となっている野球強豪校としては奈良県の天理高校(天理教)と大阪府のPL学園(PL教/活動停止中)が有名であり、特筆すべき成績を残しています。4校とも、オリジナリティあふれる応援曲とブラスバンドの演奏力の高さにも定評があります。
 甲子園での活躍が教団の活動にどのような影響を及ぼすのかはわかりませんが、教団の訓えを実践することが野球部強化の一因となっているのなら、それはそれで素晴らしいことだと思います。今夏における両校の活躍には心から敬意を表します。

【公善社情報】
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【『終のひと』第2巻を読んで】
 漫画『終のひと』第1巻については、以前紹介させていただきました。作者・清水俊氏が描き出す葬儀現場のリアルな感触に感心し、次巻もぜひ読みたいと思っていたところ、第2巻が8月26日に発売され、さっそく入手しました。
 第2巻では、孤独死や生活保護が主なテーマとなっており、特に生活保護制度における葬祭扶助について詳しく述べられています。生活保護に縁のない方でも、次の二つの知識は持っておいて損はありません。
① 生活保護受給者が死んでも葬祭扶助はありません。生活保護を受けている人が葬祭を行なう場合に葬祭扶助は受けられます。<故人が生活保護× 喪主が生活保護○>
② 葬祭扶助は一定額(20万円程度)を限度として、火葬までの必要不可欠な項目にしか支給されません。例えば、棺、骨壺、霊柩車の費用については葬祭扶助を受けられます。祭壇、飲食、香典返し、宗教者への謝礼について葬祭扶助は受けられません。<与えられた枠に収まれば何に使ってもよいというわけではありません>
 ところで、本書においては「故人の預貯金、葬祭扶助、香典収入を合わせて普通の葬儀があげられないか?」という問いに対し、主人公は「それは無理です」と答えています。しかし、上に挙げたような必要不可欠の項目を葬祭扶助で賄いつつ、祭壇、飲食、香典返し等を香典収入で賄い、普通の葬儀を執り行なった事例が、ここ出雲市にはあります。もちろん清水氏も十分取材された上での表現でしょうから、おそらく地方公共団体、ケースワーカーによって葬祭扶助の解釈や運用に微妙な違いがあるのだと思われます。
 清水氏の意図かどうかはわかりませんが、『終のひと』は、この時代において求められる葬儀観、葬儀屋像といったものをかたちづくってゆこうとしているように思えます。そして回を重ねるごとに、そうした「観」や「像」がどんどんシェイプアップされていくようにも感じています。ネタがどこまで続くか心配ですが、このまま続けば、十年後には「葬儀屋が読むべき一冊」となっているような気がします。なにせ葬儀業界に身を置く今時の若者は活字メディアを徹底して敬遠しますから(苦笑)。次巻も楽しみにしています。

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