公善社のブログ

【トピックス】
3月22日、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)において、見事に日本代表が優勝を飾りました。特に準決勝、決勝では野球の魅力が凝縮されたような試合が展開され、サッカーのワールドカップに劣らない感動を味わえたような気がします。
選手、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。間もなくシーズン開幕、所属チームでの健闘を祈ります。3月23日記

【「死生学」という学問】
3月14日『読売新聞』に、宗教学者・島薗進氏(東京大学名誉教授)のインタビューが掲載され、「死生学」という学問について、氏の見解が述べられていました。
死生学とは「死や生命の危機、死別に向き合って、理系・文系にまたがる領域の問題を、様々な角度から考察していく新しい学問」だそうです。日本では、終末期の患者を安らかに見送るホスピス運動をきっかけとして、1970年代から本格的な研究が始まりました。グリープケアをはじめ、死の準備教育、脳死や臓器移植にかかわる生命倫理、葬儀や墓の在り方、死後の世界等も死生学の対象となるようです。
島薗氏は、死生学が誕生した背景として、現代人が死と向き合うすべを失っているのではないかという疑念、命の重みが失われつつあることへの懸念を挙げ、新たな世界観を作り上げることと死を通して生き方を考え直すことを死生学に期待しています。
具体的な取り組みとして、上智大学、東京大学、東北大学等で「死生学」の講座が設けられており、医師、看護師、宗教者等が学んでいるそうです。また、死生学にかかわる資格として、「臨床傾聴士」「スピリチュアルケア師」「認定臨床宗教師」という資格もあります。
こうした死生学の展開において「葬儀」も中心的な研究テーマとなるはずですが、今のところ、葬儀に関する研究実績は乏しいように思います。近年の島田裕巳氏の著作に関して言えば、研究実績と言うには物足りないものがあります。また民俗学者の葬儀研究も散見しますが、死生学とはどのようにリンクするのでしょうか?
「現代社会における葬儀の役割」「葬儀から見た現代人の死生観」「葬儀の経済学」「現代の埋葬事情」「現代における宗教者、葬儀業者の経営実態」等々、このような研究テーマが頭に浮かんできました。葬儀を対象としておられる研究者の奮闘に期待し、死生学の発展を影ながら応援しています。

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