公善社のブログ

【トピックス】
 1月24日から25日にかけて「最強寒波」が到来し、ここ出雲市でもかなりの積雪がありました。全国各地被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
 今回も凍結や積雪により交通に乱れが生じ、アマゾン・プライムの配達も遅延しています。ところで、この遅延に関してアマゾンにクレームを入れた人はいるのでしょうか? いないことを切に願いますが、もしいるとしたら、その不寛容ぶりにやりきれなさを覚えます。運輸のみならず、様々なサービスを利用するにあたっては、大らかな心で「待つ」ことも必要だと思います。1月26日記

【S典礼三度目の遺体取り間違えに思うこと】
 1月21日の読売新聞オンラインの報道によると、昨年10月頃、埼玉県熊谷市で、葬儀業者が遺体を取り間違えて別の遺体を火葬するという事故が発生しました。
 遺体を取り間違えたのは、埼玉県に本社のある大手冠婚葬祭互助会AのS典礼さんです。今回は熊谷市内の葬儀場で生じた事故ですが、S典礼さんは2014年12月に埼玉県所沢市で、2018年1月にはここ出雲市で同様の事件を起こしています。
 同社は新聞社の取材に対して「再発防止に全力で取り組む。人の目のみに頼らず、ミス防止ができるシステムの導入も進める」と答えたようですが、きっちり4、5年おきに同様の事故を三度繰り返しています。同業者として、とても残念に思います。
 再三の不祥事にもかかわらず、S典礼さんは法により罰せられることもなく、行政から指導を受けることもありません(民事の責任は取ったのかもしれません)。現状、葬儀業界は許認可どころか届出も必要ない参入フリーの業界であり(遺体搬送車や霊柩車の営業をするための許可は必要)、行政による規制が行き届かない状態にあります。ネット上に実態のない怪しげな葬儀業者が跋扈するのも、それ故の現象と言えるでしょう。
 葬儀業界がこのような野放し状況にあることは、消費者にとって決して好ましいことではありません。葬儀業者に公的なペナルティを課すことができるようなシステムがあれば、S典礼さんが起こしたような事件は防げたのかもしれません。許認可等の強力な規制が好ましいとは思いますが、せめて届出制にすれば、消費者が葬儀業者を選ぶ目安として機能するかもしれません。
 今回のコロナ禍において、行政と葬儀業者でコロナ感染で亡くなった方のご遺体をどのように扱うかという議論をしようとしても、届出制もない現状では葬儀業界側の窓口を誰にすべきかで混乱があったと思います。また、行政側が葬儀業者の名前をすべて把握できているわけでもなく、葬儀業者に必要事項を連絡するにも大いに困ったはずです。東日本大震災においても、ご遺体の安置、火葬について同様の混乱があったに違いありません。
 パンデミック、自然災害等において葬儀業界は少なからず社会の根底を支える仕事を担っています。消費者の利便性の向上や効果的な危機管理体制の構築を考えるに、届出制等によってある種の枠組みを作ること、また許認可制等によってある種のハードルを設けることは必要だと思うのです。

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