【トピックス】
2月13日、漫画家の松本零士さんが85歳で亡くなりました。高い画力で昭和の少年少女に宇宙というもののイメージを提示し、メーテルやスターシャに代表されるアンタッチャブルな女性(聖)像を創造した松本さんは、昭和を代表する漫画家の一人であると思います。
代表作としては『宇宙戦艦ヤマト』と『銀河鉄道999』が挙げられると思います。『ヤマト』では放射能除去装置を地球に持ち帰る旅が描かれ、『999』では機械の体(=永遠の命)を求める旅が描かれているのですが、二つの旅はまったく異質のものです。『ヤマト』の旅は「地球を救う」という目的を果たさなければ意味を持たないものであるのに対し、『999』では旅そのものが意味を持ちます。旅の過程において、主人公・星野鉄郎は様々な経験を通してたくさんのことを学び、豊かな内面を育んでゆきます。
どちらの旅のスタイルがよいかは別として、松本零士さんの作品は旅すること(=生きること)の意味を昭和の少年少女に問いかけるものでした。2月23日記
【コロナ感染死亡者の火葬】
本年1月6日に厚生労働省から指針が出され、ここ出雲市においても1月半ばより、新型コロナウイルスに感染して亡くなられた方の火葬・葬儀に関する規制が緩和されることになりました。
これまで、新型コロナウイルスに感染して亡くなられた方については、お亡くなりになった場所で納棺され、直接火葬場に運ばれ、火葬されました。ご臨終におけるご家族との対面、火葬場における炉前でのお別れ、ご遺族による収骨はできない状況でしたが、今回の規制緩和により、ご遺体の扱いが基本的にコロナ禍以前のあり方に戻ることになるようです。
ただし、まだまだ過渡期とも言える段階ですので、病院、施設、葬儀業者、火葬場によって対応が異なる場合があるかもしれません。また状況によっては、再度規制がかかることも考えられますので、ご注意ください。
今回規制が緩和されたことを機会に、2020年2月から2023年1月まで3年間、ここ出雲市において、コロナ感染死亡者の火葬がどのように行われたのかを簡単に振り返っておきたいと思います(もちろん、当社が経験した範囲のことです)。以下、一部敬語を省略させていただきますので、ご了承ください。
2020年2月にコロナ禍が始まって間もなく、行政と葬儀業者の間で協議の場が持たれ、コロナ感染者死亡者の火葬までのシミュレーションが行われました。そこで話し合われたことをベースとして、さらには保健所の判断を踏まえた上で、死亡から火葬までは以下のような手順で進行しました。
【死亡】
・コロナ感染死亡者の葬儀を依頼されたら、葬儀業者は故人に関する情報(氏名、住所、死亡場所・日時等)を聞き、出雲市環境政策課に報告。
・出雲市は火葬日時を決定し、葬儀業者に通知。葬儀業者は遺族と病院等に報告。
・遺体は火葬の時間まで病院・施設内に安置。
・葬儀業者は遺族と面会して火葬手続きを進め、棺と骨壺を手配。
【病院・施設から火葬場へ】
・火葬日時に合わせ、死亡場所にて葬儀業者により納棺が執り行われる。
・遺族は納棺には立ち会えない。
・納棺終了後、霊柩車で出雲斎場へ出発。遺族は霊柩車には同乗しない。
【火葬から収骨まで】
・出雲市内で死亡したコロナ感染者の火葬はすべて出雲斎場で執り行なわれた。
・死亡時刻から24時間以内の火葬も可能であった。
・火葬は、出雲斎場の営業時間終了後(17時以降)に執行された。
・遺族はじめ関係者は出雲斎場の建物内に入ることはできない。火葬・収骨終了まで建物外で待機。
・収骨終了後に遺族は出雲斎場に出向き、お骨と埋葬許可証を受け取る。
以上の過程において、病院・施設、葬儀業者、出雲斎場はそれぞれ徹底した感染予防対策をとっていました。また、感染して亡くなられた方に関する個人情報については守秘義務が課せられました。
コロナ感染で亡くなられた場合、死亡から火葬までの間、宗教儀礼を執り行うことはできませんでした。火葬終了後、そのまま葬儀のみ執り行うケースがほとんどだったように思いますが、お骨で通夜を執り行ってから葬儀をするケースもありました。葬儀は通常となんら変わるものではありませんでした。
以上簡単ですが、2020年2月から2023年1月におけるコロナ感染死亡者の火葬についてまとめておきました。後日、行政から詳しい報告が出されるのかもしれません。
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