【トピックス】
8月30日、ミハイル・ゴルバチョフ氏(元ソ連共産党書記長)が91歳で亡くなりました。若い人に「ソ連」と言ってもピンとこないでしょうし、20世紀の東西冷戦構造についても知らない人が多いでしょう。もしかしたら、中国がいまだに共産主義国家であることも知られていないのかもしれません。
1985年にゴルバチョフ氏がソ連の最高指導者となった当時、西側陣営である米国の大統領はロナルド・レーガン、英国の首相はマーガレット・サッチャー、日本の総理大臣は中曽根康弘でした。ちなみに、当時の中国共産党の最高指導者は鄧小平です。たった三十数年前のことですが、時代の変化が速すぎて、はるか昔のことに感じます。
振り返るに、当時において今日の世界の姿、特に中国の台頭を想像することはできませんでした。もちろんロシアのウクライナ侵攻も。歴史から学ぶことは多々ありますが、未来を予測することは誰にもできません。
【稲盛和夫さん死去】
8月24日、稲盛和夫さんが90歳でご逝去されました。心よりお悔やみ申し上げます。プロフィールを記すまでもないほどの方だと思っていますが、念のため主な業績だけ紹介しておきます。稲盛さんは京セラ、第二電電(KDDI)の創業者であり、二社を巨大企業に育て上げた後、三田工業と日本航空の経営立て直しに尽力されました。また、Jリーグの京都パープルサンガの事実上のオーナーであり、名誉会長を務めていらっしゃいました。
経営者の視点から稲盛氏の偉大さを語ることは、当ブログにおいては差し控えたいと思います。当社においては、代表取締役・足立の勧めにより、稲盛さんの著書を通じて多くの従業員が薫陶を受けています。私たち従業員の立場からすれば、事業経営よりも、人としての生き方を考える上で学ぶことが多かったように思います。
世界的ベストセラーとなった『生き方』において、稲盛さんは「人間として正しいかどうかを意識して、毎日をど真剣に生きよう」と提言されました。数多くの著書を通じて稲盛さんは「人間として正しい道とは何か?」「その正しい道を一生懸命に歩んでいるか?」という問いかけを私たちにしてくださったのだと思っています。
月刊誌『致知』を通じて稲盛さんの知見に触れる機会も多々ありました。また仏教に深く帰依され、雲水姿でここ出雲市の路上において説法をされたことも記憶に残っています。「動機善なりや、私心なかりしか」という稲盛さんの名言は、多くの人々の決断を左右したことと思います。
「京都賞」を創設し、文化振興にも多大な貢献をされました。また盛和塾での活動を通じて、後進の指導や啓発にも尽力されました。「財」も遺し、「事業」も遺し、「人」も遺した偉大な経営者であったと思います。心よりご冥福をお祈りします。
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