公善社のブログ

献体された方のご葬儀

【トピックス】
 3月16日午後11時36分、宮城県、福島県で震度6強の地震が発生し、両県で3名の方がお亡くなりになりました。また広域で甚大な被害が生じているようです。謹んでお悔やみを申し上げますとともに、心よりお見舞いを申し上げます。
 3月21日をもって、全都道府県のまん延防止等重点措置が解除されることになりました。これまでと同様に感染防止策を徹底するしかないのですが、なんとなく気分が軽くなったような気がします。ウイズ・コロナの新たな局面を迎えたのかもしれません。

【献体された方のご葬儀】
 ご存じの方も多いと思いますが、島根大学医学部は献体登録を受け付けています。死亡後、登録者のご遺体は大学に引き取られ、解剖学実習を通して医学教育に貢献することになります。同大では、献体登録をされた方々によって有終会という団体が組織されています。
 それでは献体登録をされた方がお亡くなりになった場合、どのような形で葬儀が進行されるのでしょうか?
 死亡場所は島根大学医学部附属病院に限りません。死亡場所から自宅や葬祭会館へのご遺体の搬送は、基本的には葬儀社が担当します。そして、死亡時刻から48時間以内に葬儀を執り行い、葬儀終了後、島根大学にご遺体を引き渡すことになります。
 当然のことながら、火葬はしません。なお、葬儀をする前にご遺体を大学に引き渡し、ご遺体のない葬儀をする場合もあります。この場合は48時間以内に葬儀をする必要はありません。
 後日、解剖実習を経て、ご遺体は島根大学により火葬されることになります。希望があれば、火葬後にお骨をご遺族が引き取ることもできるようです。また、ご遺体を大学に引き渡す段階で、遺髪と遺爪がご遺族に渡されます。
 これまで当社でも、献体された方の葬儀を多数お手伝いさせていただきました。あらためて故人の尊いご遺志に敬意を表し、医学教育へのご貢献に深く感謝いたします。

 ところで、ノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎の初期作品『死者の奢り』では、解剖学実習用に保管されたご遺体が保存液のプールで不気味に漂う様子が描かれています。現在においては、献体された方のご遺体は、防腐処置をした上で冷蔵庫に保管されていると聞きました。

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