【トピックス】
先の参議院選挙、予想どおり与党(自民党だけ?)の圧勝となりました。投票率は50%を超えたようですが、依然低調であり、残念に思います。
前々から言われていることだと思うのですが、公職選挙法を改正し、有権者のネガティブな意見を反映させるような仕組みをつくることはできなのでしょうか? 積極的に投票したいと思う政党や候補者はなくとも、「この政党には議席を与えたくない!この候補者には当選してほしくない!」という考えを持っている人は多いと思います。そうした政党や候補者にマイナス票を投じることのできる仕組みを作り、得票数からマイナス票を差し引いて最終的な得票数が決まるようにすればよいのではないかと思うのです。
どの政党の誰とは言いませんが、今回の選挙においても、国政を担う気概や能力について疑問に思うような候補者が何人か当選しています。民主主義の理念に適合するものかどうかわかりませんが、ぜひとも有権者のネガティブな意見も反映させるような選挙制度の構築を試みていただきたいものです。そうすれば投票率も上がるような気もします。7月14日記
【喪服の現在地】
過去10年、いや20年でもよいのですが、遺族・親族、参列者が着用する喪服に変化があったのかと問われれば、大きな変化はないように思います。男性は黒スーツに黒ネクタイ、女性は黒のワンピースかツーピース、いわゆる「ブラックフォーマル」が定番であることに変わりはありません。
男性喪主のモーニングコートや紋付着物に羽織袴、女性遺族の紋付着物に黒帯もドレスコードとして生き続けていますが、減少傾向にあります。また、男性のスーツでダブルブレステッドが少なくなったことも変化の一つではないかと思います。当社が撮影した膨大な葬儀記録を紐解けば、それらが減ったという根拠が示されるはずですが、それを調べる時間もエネルギーはありませんのでご容赦ください。
今後、葬儀において「見せる、見られる」という要素が少なくなることにより、遺族、参列者ともに服装にこだわらなくなる可能性がありますが、当分の間、男性女性ともに「ブラックフォーマル」で安定し続けるのではないかと思います。今のところ都市部においても、大きな変化は見られないようです。
今日の定番となっている「ブラックフォーマル」は昭和30年~40年代に確立されたようです。中村ひろ子さんという民俗学者が、「喪服の近代」という論文(『衣と風俗の100年』日本生活学会編/ドメス出版/2003年10月発行に収録)において、そのことを明らかにしています。当論文では、明治期から昭和30~40年代にかけて、喪服の色における白から黒への変化、和装から洋装への変化が並行的に進行し、今日の喪服文化が確立した過程が詳述されています。併せて、参列者の喪服着用、通夜での喪服の着用が習慣化した過程も明らかにされています。ちなみに本書は、考える葬儀屋さんのブログ「葬儀の服装の歴史」で紹介されていました。
ところで、何故に「ブラックフォーマル」がかくも長きにわたって支持されているのでしょうか? おそらく、その「安心感」が一番大きな要因だと思います。場違いではない安心感、みんな一緒である安心感、社会的立場を考えなくてもよい安心感、コーディネイトに悩まなくてもよい安心感、誰でもそれなりに着こなせてしまう安心感、アマゾンでもユニクロでも洋服の青山でも安価で手に入る安心感・・・まさに無敵。ブラックフォーマルの時代は当分続くのではないでしょうか。
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