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【トピックス】
 参議院の懲罰委員会は、当選以来一度も登院しないまま欠席を続けるNHK党のガーシー参議院議員に「議場での陳謝」という処分を下しました。ガーシー議員は帰国し、3月8日に陳謝するようです。
 民主主義という制度に則ってガーシー議員は誕生したわけですが、国会に出席せず、立法、予算の決定、内閣総理大臣の選出等重要な職務に参画しないということは民主主義の本旨に背くのではないでしょうか。政治家としての姿勢を改めた上で、ネット上での影響力を有効に使っていただきたいものです。3月2日

【簡素な弔い コロナで定着?】
 2月28日『読売新聞』「ニュースの門」でコロナ禍における葬儀の変化に注目した記事が掲載されていました。当記事においては、「葬儀の簡素化」と「葬儀一件あたりの売上の減少」が報告されています。論拠として使われたのは、鎌倉新書と経済産業省の調査をもとに読売新聞が独自に作成したデータです。要点のみ紹介しておきます。
 まず、鎌倉新書の調査をベースとした「葬儀の形式の変化」は、2020年(コロナ禍開始年)と2022年における葬儀形式の割合を比較したものです。著作権の関係でグラフそのものを掲載することはできませんのでご了承ください。各葬儀形式の割合は以下のように変化しています。左側が2020年の数値、右側が2022年の数値です。
「一般葬」:48.9%→25.9%(減少)
「家族葬」:40.9%→55.7%(増加)
「一日葬」:5.2%→6.9%(増加)
「直葬・火葬式」:4.9%→11.4%(増加)
 残念ながら「一般葬」と「家族葬」の定義が明確ではありません。参列者の数で分類しているのかもしれませんが、どの程度で家族葬と一般葬を区切っているのでしょうか? 一般葬と家族葬を合わせた数は2020年が89.8%、2022年が81.6%であり、8.2%ほど低下した分「一日葬」と「直葬・火葬式」の割合が増加しています。そして、一日葬の割合が減り、直葬の割合が増加しています。ちなみに一日葬とは通夜を行なわず、葬儀のみ行うスタイルです。総じて、葬儀の簡素化が進行していることが読み取れます。
 一方、経済産業省の調査をベースとした「葬儀会社の受注件数と売上高(1件あたり)の推移」は、2000年~2021年の葬儀受注件数と葬儀一件あたりの売上の推移がグラブ化されたものです。葬儀受注件数は右肩上がりとなっているものの、一件あたりの売上高は大きく下がっていることが示されており、葬儀一件あたりの売上高はピークであった2006年の150万円超から2021年には112万5千円まで低下しています。「ここまで下がるか?」という思いもありますが、経済産業省のサンプルの取り方に問題があるのかもしれません。
 それでは、上の傾向、すなわち「葬儀の簡素化」と「葬儀一件あたりの売上の減少」がこのまま進むのかと言われると、そうでもないような気がします。論拠が希薄であるとのご指摘を受けることを承知で言えば、コロナ禍における感染死亡者に対するあまりにもあっけない葬送のあり方を反省する思いが、国民レベルで醸成されているように思うのです。葬儀の簡素化に歯止めがかかれば、葬儀一件あたりの売上も回復基調に転じるのではないでしょうか。
 ポストコロナにおいて葬儀がどのような方向に進むのか、現時点ではまだ見通せない状況ですが、葬儀の簡素化には一定の歯止めがかかると予想します。ここ出雲市においても、コロナ禍で定着した式前(後)焼香が再検討されるような気もしています。

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